前髪
冬は心が落ち込んでしまう日が多い
ちょうど去年の今頃は思い出したくもないほどでやっぱり何もしていなくても涙がとまらず人前になんていられなかった 通院をはじめた そんな季節
今日はあぶなかった
心が落ちるところまですうっと落ちていって 人人人であふれる小さな教室に震えて あーきたこの感覚とぞわっとした
放課後は何食わぬ顔で友だちのところへ
年末年始の話をして 辛いことをそうだよねきつかったよねと受け止めあって がんばったことをえらいねよく踏ん張ったねと褒めあって 笑うように生きるための方法を知っているからさ
心の髄まで話せる人ができたこと
わたしの人生の誇りでありしあわせだ
あまりにもキツイ心をどうにも操ることができなくなってしまう手前に、すべてが嫌になってしまうその前に、社会や理不尽を睨みつけて殺してやろうと思いながら伸びた前髪で目を隠した
話している途中、相槌をうちながら自然の流れでスーっと手を伸ばして、当たり前のようにわたしの前髪を耳に寄せた
視界がひらけた
人は人に生かされている
あなたが好きだろうと嫌いだろうと
人は一人では生きられない
解放と呼ぶか、孤独と呼ぶか、
つづく、