よかった。
みずいろをグリグリっと塗ったあと、ももいろや黄緑、だいだい色を重ねて、すてきなまんまる。白い画用紙の右半分いっぱいに描いて、左半分は白いまま。
キラキラした目で、力のゆるんでほころんだ顔で、のんびりと描いていた。
いつもは周りをよくみて、あんまりしゃべらない、緊張ぎみで、ゆっくりさんな子。
両手で紙を持って、何かを言いながらうれしそうに見せに来てくれた。
何を伝えているのか、曖昧な発音でまだあんまり聞き取れなくて、その子のジェスチャーとともによくよく聴くと、
『フーッとしたの』
しゃぼんだま!?と言うと、うん!!!と。その子は絵に目を戻して、うっとりした目で自分の描いたしゃぼんだまを見ていました。
つづく、